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Autodesk customer success story

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ユーザー事例 | 西日本工業大学

ユーザー事例 - 西日本工業大学

Autodesk customer success story

Fusion 360 を講座に導入後 4 カ月で
オートデスクユーザー資格試験に挑戦

とにかく学生には少しでも早く Fusion 360 に触れてもらい
3D CAD を自由に駆使してものづくりができるようになってほしい

手軽に使えてしっかり学べる 3D CAD を!

西日本工業大学(以下「西工大」)は、1967 年開学の工業系私立大学である。わが国の四大工業地帯の一つである北九州工業地帯にキャンパスを置き、地元工業界の要請に応えて「高度な知識と実戦的な能力を持った人材」を育成している。現在、工学部総合システム工学科 3 系統 7 コースとデザイン学部 2 学科(建築学科、情報デザイン学科)を展開しているが、中でもユニークなのが、工学系学生でなくても活躍できるデザイン学部情報デザイン学科だ。同学科の教授 中島浩二氏は語る。

「情報デザイン学科は、洪水のように溢れる情報をいかに美しく整理して提供し、ユーザーを豊かにしていくかを考えるコースです。」一般に情報デザインといえば Web デザインやグラフィックデザイン、メディアアート等の領域を連想しがちだが、「それだけではない」と中島氏はいう。

「もちろん Web デザインやグラフィックも学べますが、合わせてものづくり教育を行うプロダクトデザインのコースも用意してあります。ここでは 3D CAD でものづくりできる学生を育てています。」

事実、西工大の情報デザイン学科における CAD 教育は、きわめて先進的かつ実践的な内容となっている。全体のカリキュラムは、1 〜 2 年次にデザイン基礎とプレゼンテーションの表現技術を学び、進級と共に演習やプロジェクトで実践力を身に付けていく流れとなっており、2 年生になると同時に CAD を使い始めることになる。

「特に最近は、まず 2D でみっちり作図を、というのではなく、最初から 2D/3D を使い分けながらものづくりを学んでいく形としています。図面は基礎だけ身に付けてしまえば、後は 3D CAD で作れますから」とにかく学生には少しでも早く 3D CAD に触れてもらい、これを自由に駆使してものづくりできるようになってほしい、そう考えているのである。――その意味で、数多くある 3D CAD の中から「どの製品を選び。どう使わせるか」はきわめて重要な課題だった。同学科では、2D CAD についてはやはり AutoCAD を使用していたが、中島氏が重視する 3D CAD の選定には曲折があった。当初、他社製品を用いていたが、さまざまな問題があったのである。

「それは広く知られた 3D CAD でしたが、本学の学生が多く就職する中小企業にとってはいかにも高価で、そうした会社がこの CAD 製品を導入する可能性は低いと感じていました。」学生にとっても、操作性の問題などからこの他社CADはやや敷居が高く、しかもノート PC に入れて持ち歩くこともできないため、学校のパソコン室でしか使えない状態だったのである。「そこでもっとカジュアルな、誰でも手軽に使えてしっかり学べる 3D CAD はないか、探していました。そんな要望にぴったり合ったのが、オートデスクの Fusion 360 だったのです。」

こうして2017 年 4 月、Fusion 360 はまず二年生の CAD 演習の授業に導入され、それは数カ月で学生たちの学習姿勢を大きく変えた。わずか4ヶ月後に同大で開催された Fusion 360 のオートデスク認定資格プログラム試験を、使い始めて数カ月の学生たちが積極的に受験するまでになったのである。

ものづくり教育の最も基本となる“ものづくりの楽しさ”という部分が、
Fusion 360 と3D プリンターを通じて大きく広がろうとしている

3D CAD の全てを学ぶのに最適なツール

オートデスク認定資格は、その名のとおりオートデスクが主催し認定するワールドワイドな資格プログラムである。認定資格保有者は、その CAD 製品のスキルと知識を備えたユーザーとして認められ、就職活動やキャリアアップにも活用できる。試験は実際に Fusion 360 を操作して解答する実技形式で計 30 問を 75 分で解いていく。出題範囲も広範囲に及ぶが、「これが 3D CAD の学習に最適なのです」というのが、CAD 演習の講師を務める福島恵美子氏である。

「情報デザイン学科学生のCAD 教育における目標の一つとして、3 次元 CAD 利用技術者試験へのトライがあります。その実技試験では 3D モデリングが出題されますが、実はどの 3D CAD でも受験できるのです。そこで Fusion 360 を試してみたら、十分対応できました。」それなら導入しやすく使いやすい Fusion 360 を使いたい、と講師陣が考えたのは当然だろう。 しかも、オートデスク認定資格の受検者向けに用意された試験対策本は、3D CAD の機能を実践的に学習する上でも最適な内容だった。「Fusion 360 には私たちが 3D でやりたいことが網羅され、認定資格試験ではその全てが試されます。つまり、対策本で学習していけば、学生はソリッド・サーフェスモデリング、アセンブリ・解析・3D 出力までトータルに学べるのです。」
とはいえ。初めて 3D CAD に触れる学生たちがわずか 4 カ月でそれだけの内容を習得するのは、難しいのではないだろうか? ――そう問うと、福島氏は笑顔で答えてくれた。

「たしかに最初の授業では全30 問のうち 1 〜2 問を解くのが精いっぱいでした。その時は私も講座では終えられないかな、と思いましたが、学生たちはあっという間に Fusion 360 に慣れてペースを上げ、最終的には4 回の講座で 30 問を解き終えました。しかも、それ以降の自学習では、学生たちは自然にお互い教え合うようになっていったのです。」これは Fusion 360 以外の講座ではあまり見られない光景だ、と福島氏はいう。 Fusion 360 による講座だからこそ学生たちはみずから積極的に学び、教え合おうとするのである。

「実際、以前と比べ、学生の学習姿勢がまったく違います。誰もが前より画面に“前のめり”になって集中している。分かりやすく使いやすいから“自分でやる”という意識が高まるのですね。挑戦して上手くいけば笑顔も出るし歓声も上がります。 Fusion 360 の講座ではそういう学生が格段に増えました。」

“ものづくりの楽しさ”という全ての基本

「クラウドベースの Fusion 360 はどこでも好きな場所で使えます。本校は3Dプリンター等の出力環境も整っているので、学生にはこれらを使い頭の中のアイデアをどんどん形にして出力してほしいと考えています。」そんな中島氏の言葉どおり、自主的にそうした取組みを進める学生も増えている。まさに“ものづくりの楽しさ”という最も基本となる部分が、 Fusion 360 と 3D プリンターの活用を通じて大きく広がろうとしているのである。

「今回の認定資格試験は、Fusion 360 という思いを形にするツールを“我がものにした”という自信を持ってもらい、その実力を確認してもらう上で大きな意味があったと思っています。今後もこうした機会を増やしていき、将来は資格取得者に単位もあげたいですね。」(中島氏)

最後に認定資格試験を受験した学生に感想を聞いてみよう。一人目は 2 回生の福田美咲さんである。

「難しい問題もありましたが、分らない所はどんどん飛ばし、ひと通り終えてから見直しの 2 周目で解いていくようにして何とか対応できたと思います。Fusion 360 はシンプルで使いやすく、3D プリンターへの連携も容易なので、私もストラップをモデリングして出力してみました。作ったものがすぐに手に取れるって楽しいですよね!」一方、4 回生の原涼輔君は、講座への導入以前から Fusion 360 を利用してきた。

「力試しのつもりで受験したのですが、アセンブリを組む問題に引っかかり、ちょっとバタバタしました。研究室で多くの CAD に触れましたが、Fusion 360 は、それらの良いとこ取りみたいな CAD。レンダリングまでできるので、アイデアをどんどん提案するのに最適です。これを使い切れるようになれば、きっと思い通りのものづくりができますよ!」

福田 美咲 さん
デザイン学部情報デザイン学科2年

原 涼輔 君
デザイン学部情報デザイン学科4年

最終的に今回の TDU の受験者は 47 名。そのうち合格者は 36 名で合格率は 77 %に達した。社会人対象の試験でもなかなか出ない高い合格率である。TDU の学生の優秀さ、真面目さがあらためて証明されたといえるだろう。最後にもう一度、総合メディアセンターの木村氏に今回の感想を伺った。

「とにかく学生の反響が良かったことにあらためて驚いています。これを定期的に実施できるなら非常に喜ばしいことだと感じます。ぜひ継続していきたいですね。オートデスクでは学生・教育機関向けにソフトウェアも無償提供してくださっていますし、今回の取組みも含めて、今後ますます協力を深めていければ、と思っています」

文科省が進める「地(知)の拠点整備事業(大学COC 事業)」で福岡県唯一の拠点大学に指定されている本学では、地域との交流を大きなテーマとしています。たとえば 3D プリンター等の機器を整備した「デジタルものづくりカフェ」を地域に開放することも計画中で、今回の認定資格試験の合格者の学生をそのコンシェルジェ役とすることも考えています。多くの学生がこうした幅広い交流から刺激を受け、新しい情報発信も生まれることを期待しています。

西日本工業大学
デザイン学部 情報デザイン学科
教授
デザイン研究所 所長
中島 浩二 氏

Fusion 360 は、いま世界規模で注目を集める 3D CAD です。特に 3D プリンターと組合せて使うことで、簡単に楽しく短時間で、イメージを形にしていくことができます。デザインをやる若者なら、これを使わない手はないでしょう。その意味で、講義にこれが全面的に取り入れられ、日常的に自由に使えて、資格取得までチャレンジできる当学科の学生は、絶好のチャンスを得たといえるでしょう。ここでしっかりマスターして夢の実現に活かしていってほしいですね。

西日本工業大学
デザイン学部 情報デザイン学科
非常勤講師
福島 恵美子 氏

西日本工業大学 http://www3.nishitech.ac.jp/

所在地:
小倉キャンパス(北九州市小倉北区)
創 立:
1936 年 5 月
学 部:
工学部(総合システム工学科)
デザイン学部(建築学科、情報デザイン学科)
大学院:
生産システム分野(エネルギー、制御、工作)
環境システム分野(デザイン、防災、共生)

使用ソフトウェア:Fusion 360、AutoCAD®

ユーザー事例 - 西日本工業大学 PDF版(403 kb)

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