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Autodesk customer success story

Niigata Institute of Technology

ユーザー事例 | 新潟工科専門学校

ユーザー事例 - 新潟工科専門学校

Autodesk customer success story

いち早く BIM 講座を開始した専門学校が
オートデスクユーザー資格試験に挑戦!

就職活動のレベルアップに加え、就職後のキャリアアップにも──
Revit Architecture ユーザー資格試験に挑んだ18人の学生たち

18人の学生たちが挑んだ「75分間30問」

2017年10月某日。新潟工科専門学校でオートデスク認定「Revit Architecture ユーザー資格プログラム」試験が行われた。これは建築設計とBIM に関わるプロとしてキャリアを積む上で重要な Revit Architecture の操作スキル修得を証明する資格試験。合格すれば就職活動のレベルアップはもちろん、就職後のキャリアアップにも役立つ資格である。2級建築士試験で全国トップクラスの合格率を誇り、新潟を代表する建築・工学系専門学校ならではの時代を先取る挑戦だった。

午後1時半、試験運営を委託されたシーキューブ担当者の手で、試験用アプリをインストールしたノートパソコンのセッティングが始まった。同社は CAD 技術サポート等を提供する総合エンジニアリングサービス企業。新潟工科専門学校では、Revit 導入から BIM 講座の内容検討まで幅広いサポートを提供している。やがて作業が終了すると、試験を受ける学生たちが入場してきた。いつも闊達な彼らも今日ばかりは緊張を隠せない。

「今回受験するのは18名。建築デザイン学科と建築士学科から希望者を募りました。」そう語るのは学科長の野口信彦氏である。同氏によれば、建築デザイン科は建物の設計や CAD 操作を主体に主に建築のビジュアル面を学ぶ学科で、建築士学科は建築士の資格取得を目指す学科。同校の建築系二年制学科の卒業生は、学科を問わず二級建築士の受験資格を得られるが、特に建築士学科では多くの修了者が建築士専攻科へ進み、さらに一年かけて在学中の資格取得を目指すのだという。「みんな自ら受けたいと希望した意欲の高い学生たちですが、実は Revit 導入はつい昨年のことで、彼らも使い始めてまだ一年半なんです。もちろん受験対策はやりましたし合格できる力は付いた筈ですが……初挑戦ですからね。どれだけ合格してくれるか、正直予想が付きません。」

やがて予定の時間になると、担当者が教壇に立ち注意事項の説明を始めた。指示に従い受験生たちが必要事項を入力し終えると、13時40分、試験開始が告げられた。学生たちはいっせいにマウスを滑らせ、クリックし、メモを取り、キーボードを叩き始める。試験の内容は Revit 操作に関する基礎知識と基本操作技術を測るもので、選択式と実技操作による問題が計30問。これを制限時間 75 分で解いていく。

「実は私もこの6月に受験したんですが、75分で30問を解くのは時間的にけっこう厳しかったですね。試験場でもかなり焦りました。」そういって野口氏は苦笑いを浮かべる。だが、問題集(※)を二回繰り返して試験に臨んだ野口氏は、焦りながらも見事に一発合格を果たしたのだという。「対策講座でもこの問題集をひと通りやりました。学生たちには、さらに通しで三回やるよう言ってあります。きちんと復習し、実力を発揮することができれば、実務者より使用経験が少なくても十分合格できると思うのですが……。」

会場では受検者たちの静かな戦いが続いている。時おり小さなシステムトラブル等に遭遇した受験者の手が上がると、担当者が素早く対応する。後はひたすらクリック音とキーボードを叩く音だけが響いている。

首都圏の学校にも負けないような“最新の技術教育”を提供する必要がある
なかでもいま最も新しい、業界が注目する教育テーマが BIM なのだ

Revit による BIM 教育を差別化の核に

「Revit ユーザー資格試験は、昨年開始した BIM 教育の取組みの一つとして企画したものです。」試験会場が気になる様子の野口氏に、資格試験の狙いについて尋ねると、そんな言葉が返ってきた。「新潟県内にも競合する建築系専門学校が複数あり、本校も建築士の合格率などでしっかり勝ち抜いていかなければなりません。また、若い人はどうしても首都圏へ流れる傾向があるので、新潟や隣県近県の学生に本校を選んでもらうには、首都圏の学校に負けない最新の技術教育を提供する必要があります。」なかでも今最も新しい教育テーマが BIM なのだ、と野口氏は言う。そして、その取組みの一環として、いち早くユーザー資格試験の導入も決めたのである。

「建築業界では今後急ピッチで BIM の普及が進むと予測されますが、その一方で教育分野、特に新潟県内の学校では、まだそれほど本格的な導入は行われていません。だからこそ先んじて導入しよう、というのが学校長の決断でした。」とはいえ、あまり例のない取組みだけに、講座づくりは手探りで進められた。具体的には2015年から選択科目の一部の授業に BIM を取り入れ、これを踏まえて内容を固め、2016年から正式なカリキュラムの一つとして発表したのである。この BIM 講座開設の流れの中で大きなポイントとなったのが Revit の選択・導入と、これをトータルにサポートしたシーキューブの存在だった。

「実は本校では当初別の 3D CAD を使っていました。しかし BIM 教育を行うとなると BIM 経験がない私たちだけでは難しく、専門家のサポートが必要だと痛感しました。そして、いろいろ調べるなかで、シーキューブなら確かなバックアップ体制を整えられると感じたのです。」そして、新たな BIM 講座用のツールについても、シーキューブがサポート提供する Revit の採用を決めたのである。

「以前使っていた 3D CAD から移行することになったわけですが、シーキューブのサポートもあり、さほど苦労せずに乗り換えられました。Revit は操作に関する TIPS なども Web にたくさんあり、いろんな答が見つけやすい CAD だと感じますね。もちろんオートデスクという世界企業への信頼感も非常に大きいです。何かあった時、確実に対応してもらえる安心感がありますね。」そういうと、野口氏は時刻を確かめ、ゆっくり立ち上がった。

「そろそろ終了ですね。」

初挑戦で50%超の合格率を達成

ユーザー資格試験では、受験者は自分のタイミングで試験を開始し、制限時間内であれば終了のタイミングも自分で選べる。そして、終了させればその場で自動採点され、その場で合否判定まで伝えられる。野口氏が試験会場へ戻ると、すでに学生の多くが試験を終え合否を確認していた。やがて最後の者が試験を終えると会場は一気に賑やかになった。その輪に加わり一人一人結果報告を受けていた野口氏が戻ってきた。

「合格者は10名です。受検したのは18名だから合格率は50%超。初挑戦としてはまずまずでしょう。よかったら、最後にこの二人に感想も聞いていってください。」そういって、野口氏が二人の合格者を紹介してくれたので、早速話を聞いてみた。まず、建築デザイン科二年生の三浦拡君は、建築設計者を志望している。「試験は問題集をきちんとやっていれば、だいたい解ける問題でした。私はパソコンが好きで Revit 操作も得意だったので、力試しのつもりで受けてみました。BIM はいま話題だし、この資格を取れば就活も有利になりますからね。Revit はとても使いやすいし、Revit Live で VR に連動させられるなど、幅広く活用できるのが良いですね。学校の VR で自分の設計した建物等を見たりすると本当に面白いし、発見があります。」

同じく建築デザイン科二年の石井真由さんは、卒業後ハウスメーカーで家づくりに携わるか、設計事務所で大規模建築に挑むか検討中だという。「就職活動では、やはり資格が一つでも多い方が良いと思うんです。今回の試験もそれで挑戦してみました。それに私はこの学校で初めて CAD に触れたんですが、純粋に Revit が面白くて……これを仕事に繋げたい、という気持もありました。試験自体はちゃんと対策をしていれば解ける問題でした。やり方はみんな問題集に載っているので、きちんとやれば誰でも結果に繋げると思います。」

三浦拡君と石井真由さん。

オープンキャンパスでの VR 体験コーナー

5~6年前から建築系専門学校の交流会で「BIM」が話題になっています。しかし、建設業界では「いずれ必要になる」と言いながら導入は進んでいません。しかし、いずれ必要になるなら少しでも早い方が良いわけで、本校は昨年 Revit を導入し BIM の授業を始めました。いち早く体験することで、学生は就職後もギャップを感じずに活躍できるでしょう。今回の資格試験も、学生たちが積極的に挑戦してくれたのは大きな収穫でした。今後も講座の充実を進め、全体的なレベルの底上げを図って行きたいですね。

新潟工科専門学校
学校長/一級建築士
仁多見 透 氏

BIM で何が出来るのか? 社会的に求められている BIM スキルは何処までなのか?──現在の本校の BIM 講座は、まだまだ手探り状態で進めています。今回の資格試験についても、いわば「お試し」で導入した形でしたが、最初のチャレンジで半数以上合格してくれたこの結果には、大いに満足しています。授業などできっちり対策していけば、100%合格も十分狙えるのではないでしょうか。次年度は一年生の終りか二年生の初め頃に実施して、就活の開始前にこの資格を取得してもらえるようにしたいですね。

新潟工科専門学校
建築士学科
建築デザイン科
学科長
野口 信彦 氏

学校法人国際総合学園 新潟工科専門学校 http://www.nit-web.net/

所在地:
新潟県新潟市
創 立:
1994年(平成6年)4月開校
コース:
建築士学科、建築デザイン科、インテリアデザイン科、建築大工科、 建築士専攻科、建築設備システム科、環境測量科、電気電子工学科、ものづくりデザイン科

使用ソフトウェア Autodesk Revit Architecture

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